読切小説
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褌が脱衣カゴに
小さな温泉旅館では
脱衣場にロッカーがなく
ただ脱衣カゴがいくつか置かれているところがある。
風呂に入る人はみんな揃いの浴衣に着替えているので
自分のものと他の人のとがわかるように
わざと下着を上に置いている人もいる。
それで部屋カギだけを持って浴室に入るわけだ。
たとえば白い越中ふんどしは
一番人気があるフンドシなので
他の人とカブる場合があるので
色ものとか柄ものの方がいいと思う。
六尺にしても“白”が一番人気なので
あまりオススメ出来ない。
そんなこと気にしなくても
そもそも“ふんどし”は少ないですよと忠告されたけど。
でもふんどしが脱衣カゴに入っているのを見ると
興味がある人にはたまらないようで
よく紛失しているのですが
それに対処する方法は
もうくたびれて捨てる寸前のを締めていくこと。
逆にそういうのが興味を持たれるらしいけど。
24/05/20 06:00更新 / 太朗

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